Music school purevoice_instructor's NOTE

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2006年 07月 19日

裸の自分

録音という作業は自分の姿を残す絶好のチャンスです。この作業、ほとんどの人たちが音質にこだわります。最近ではコンピュータやハードディスクレコーダーなども安価に手に入れることができるようになりました。そのおかげで誰にでも音作りが自在に行なえる時代になりましたね。かつては、コンピューターベースのハードディスクレーコーディングを行なうには楽に3~400万はかかる時代で、もちろん私も投資家?でした(泣。懐かしのMacintosh IICiを含むセットが百数十万。付帯設備でバックアップ用の128メガMOドライブなどは¥14万で買ったことを思い出します。これ、いまならMac本体に値する値段ですね、、、(大泣。まあ、その分ソフトウエアやシステムに対する適応力を得ることができたので安い買い物だったのかもしれません。(そう思うしか、、、)




さて、録音の話ですが、流行のアンプシミュレーターやデジタルエフェクト内蔵ミキサーなどはかなり積極的に音作りができます。その意図はデジタルベースのシミュレイトやエフェクトにあるので当然ですね。作業中は、音質を思い通りにしたいがためにあれこれ最善?を尽くします。一晩中ミキサーと向かい合って、音をいじりたおします。楽しい作業です。その気持ちはとてもよく理解できます。しかし、見つめるべき視点は表面的に「着飾る音」ではなく、自分の生の姿「裸の音」なのです。パッと見キレイ??のペっタペタのお化粧顔より、当然に素肌がキレイであること以上の「美」はないはずです。だからこそ素肌内面(プレイそのもの)から見つめ直すことこそが必要なことなのです。


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私が生まれて初めてアレンジャーという立場で仕事をした時の現場エンジニアは、吉田保さんでした。吉田保さんは、山下達郎、竹内まりや、大滝詠一などの録音を手がけてこられた日本のポップス界を代表する素晴らしいエンジニアです。当時無礼な少年だった私に対してもとても優しく接していただきました。今思えば、レコーディングの休憩時間に、保さんに対しかなりの質問攻めをしてしまったことを思い出します。そのなかで、ひとつだけ忘れることのないやり取りがあります。それはプレイバック時に私自身が自分のギターがとても心地よく聞こえたことに対し、「いったいどのような処理を施しているのか?」という質問でした。この質問に対し、保さんは即答されました。「ギターですか?ギタートラックは何もいじってませんよ」と。メインボードのEQも見せてくれました。ほんとうでした。この時に見えたのはバランスの良さでした。つまり、全体アンサブルの視点から素晴らしくギターパートを収めていただけたのです。決して、EQがどうとか、エフェクトがどうとかという細かい事ではありません。聞こえたのは音楽として成立しているアンサンブルだったのです。この時の経験は大きく学べた現場としてもいまでも心に深く刻まれています。

音楽家にとって素肌とは「生音」です。ボーカリストならばマイクなどを利用しない状況での声量、響き。ギタリストやベーシストならばプラグインする前の楽器自体の鳴り方、鳴らし方。ドラマーはPAなどに頼ることのない「生音」とバランスです。前記しましたが、良いエンジニアほど生音=素肌はいじりません。素肌を生かしながら、更にその肌の色を上手にプッシュしてくれます。素肌をしっかりと録り〜残すためにこそ、必要なマテリアルと手法はあります。このことからもレコーディング実習では安易なEQ処理はせず、すべてをアンサンブルの理解力と演奏力の露出に視点を置きます。その場限りのお化粧で粗を隠すことこそ、あとでシミが残ります、、、。結局は「裸の自分」が評価されるところに本当の評価があるのです。だから磨こう!自分!!だから止めよう喫煙!!(素肌大切!中からキレイに!!)
下写真はマスタークラスの猪瀬大貴(EB)と正木秀和(Dr)/REC実習本番中。

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なんの色付けもせづして出来上がった音源こそ、最高の「裸の自分」です。
素肌、どんどん残しましょう。


<今月マスタークラスレコーディング実習>
開催日:7/30(sun)
会場:NSM practice room
時間:11時〜

WE ENJOY THE MUSIC / purevoice
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by purevoice | 2006-07-19 04:07 | ・RECORDING 実習 | Comments(8)
Commented by 中村です at 2006-07-19 23:54 x
そうねえ、ひと昔前はなんでも今より高かった。レンタルレコードでも1回借りて700円でそれでも買うより安いってんで良く利用してた。
私はpurevoiceの皆さんによく「名プレーヤーの音源を沢山聞いて、ライブ見てください。」といいますが、それはこの記事にあるようにどんな「生音」がすぐれているのかを聞き取れる耳を作ってほしいからにほかなりません。とはいっても、なかなかお金がない、時間がないということでままならないという人が多いのではないでしょうか。
ちょっと工夫すれば安く、あるいはただでCDが聞けたり、ライブも見れたりするので参考にしてください。時間に関しては本人次第なのでコメント
しようもないですが、以下安く、聞く、見る方法を紹介します。続く・・・
Commented by 中村です at 2006-07-19 23:54 x
CDを聞く方ですが一番のおすすめは図書館です。図書館は土日も開いていますし、もちろん無料で貸し出ししています。自分の住んでいる所だけでなく勤務先のそばでも利用カードは作れます。また隣接している市の図書館も利用できる所もあります。ちなみに私は6ヵ所の図書館の利用カードを持ってます。また図書館によってはバンドスコアもおいています。同じ県内の他の図書館がほしい譜面を持っていれば取り寄せもしてくれます。もちろんただで。ですので図書館を利用しない手はないと思います。
また、TSUTAYA等のレンタル屋で借りるのもいいですが、レンタル屋や
HARD OFF(BOOK OFFよりも掘り出し物があるかも)の100円のワゴンセールも利用価値は高いです。つづく
Commented by 中村です at 2006-07-20 00:01 x
つぎに安いライブの見方ですが、まず一番のおすすめは「楽器フェア」です。今年も10月に池袋で開催されますが、現在決まっているだけでも
マルタ(sax)、マーティフリードマン(G)、後藤次利(B)のライブがあります。そのライブも入場券だけで見れるのです。ただし事前にライブ内容や日にち、整理券の入手方法は確認しておくこと。それとタワーレコード、HMV、山野楽器(特に銀座本店)のショップイベント。これもものによっては無料、あるいはCD1枚購入などです。
Commented by 中村です at 2006-07-20 00:09 x
・・・続き その他に最近できた原宿のKDDIのショールームでも無料ライブが見れたりします。あとヤマハ、ローランドなどの楽器メーカーのイベントも要チェックです。これも無料のライブを良くやっています。あと地元の音楽祭や市民ホールのイベントでも結構良いアーティストが安価で見れたりします。昨年は私の住んでいる田舎町(埼玉の三芳町)に山下洋輔(P)がきました。秋になれば大学の学園祭も見逃せません。学園祭のライブは普通のコンサートよりはるかに安いです。続く
Commented by 中村です at 2006-07-20 00:26 x
これらの情報は全てインターネットで見れますから今は楽でいいですよね。我々が学生の頃は、ぴあを必死こいて見たり、電話かけて確認したりとか結構大変でしたけど楽しかったよ。ちなみに上記のような方法で
私が見たライブの一部を紹介すると、VOWWOW、カシオペア、PRISM、ラウドネス、ハービーハンコック、村上ポンタ、ビニーカリウタ、向井秀徳(ZAZEN BOYS)、渡辺香津美、吉田美奈子などなど。
自分がやっている音楽ジャンルを聞くのは、音楽好きなら人間がメシ食ってクソするぐらい当たり前で当該ジャンル以外を聞くから幅が広がるんじゃないかな。一応CD1000枚のライブ300本ぐらいを目標してほしいけど、その10分の1でもいいからとっとと達成してほしいなあ。若いうちはスポンジのように吸収できるから頑張って挑戦してみてください。ながなが読んでくれた人ありがとう。おわり。
Commented by purevoice at 2006-07-20 02:06
中村両断さま>
素晴らしいコメントサンクス!!中村は大学時代に行ったことあるよな、渋谷のタワー横にあったジャズ喫茶。俺はあそこでかなりのレーザー映像見たよ。順番でリクエストするんだが、なんでも見せてくれたね。先にマイルスがやってるの見ながら、店のじいちゃんに次はホールズワースのライブね!と。脅威のワイド奏法ライブ映像始まると、じいちゃんが、「こりゃなんなんだ?」と客の俺に問いかける(笑。俺も当時わかんないから首をかしげる、、、(笑。しばらくすると、店に誰もいなくなる。俺もわかんなくて途中で出る。このくり返しだったが、ここでみるライブは楽しみだった。学校帰りはほとんど渋谷に寄ってから帰ってたね。合間にタワーレコードやシスコに寄ってね。楽しかった時代だね。ほんとうにこの時代に吸収したよ。
Commented by purevoice at 2006-07-20 02:22
一刀中村さん>
そうそう、忘れてたが、有楽町のローディープラザ!!あそこは素晴らしかった。中村も行ってた話は聞いたが、要はローディー製品(ステレオコンポなど)を試せるショールームだね。ステージブースがあってね、多くの素晴らしいプレイヤーが演奏してくた。それだけでなく、そのライブをえらばれた人が持参したカセットに録音できたんだよ。朝から並んだね、、、。16ちゃんのミックスが自由にできるんだが、俺はドラム〜ベースすべてミュートして、和田さんのギターだけ録音してたね(笑。常連だったから受付のお姉さんにも顔覚えてもらってね、席も良い席にまわしてくれた。もちろん、全部ただ。あのような企画いまやってくれたら盛り上がるね。
Commented by 松浦正博 at 2006-07-20 21:03 x
中村さん、僕もよく図書館は利用しています。僕は杉並区に住んでいるのですが欲しい音源があるときなどはまず近所の図書館に出向いてそこでワンタッチ操作で、目的の音源を検索します。すると区内すべての図書館をサーチし、どの図書館のどの棚のどの位置にあるかまでを教えてくれます。ああ、なんて素晴らしい。後はそこに向かって一直線です。視聴室なんてものもあるんです。図書館ありがとう。後、ライブを安く見る方法あるんですね。勉強させてもらいました。さっそく活用させてもらいます。


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