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Music school purevoice_instructor's NOTE

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2010年 08月 03日

実践セミナー Vol.14 repo/その1

実践セミナーVol.14 おつかれさまでした。今回は「ディレイ、リバーブの調整のコツについて」ということで、デジタルレコーディング関連、またプレイヤーとしての音作りに役立つ内容を取り上げました。このサウンド系議題は、音源制作〜エンジニアとしての視点も含まれるコアな議題です。実際の現場でも、作り込みに最も集中すべく、そしてまた空間をデザインするにとても奥深い作業です。

さて、今回の実践機材です。上段は、YAMAHAのANALOG DELAY/E1005 。懐かしいでしょ?
と言っても、生徒の大半は E1005 時代はまだ生まれてない、、、懐かしく感じるのはオジさん〜(笑。

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これは、私が高校生の時に手に入れたもの。知らぬ間に Vintage 名器になりました。



これが出た時の楽器屋の店員さんの解説言葉を今でも覚えています。「とうとう出たぞ! 返りの音が全く劣化しないDELAYだよ! コレ使ってみ!」子供はそのような言葉に弱い。。。ギター少年は、試奏後すぐに買いました。そして30年経過したいま、ハッキリと解ったことがあります。それは、DERAY音はかなり劣化しています。そう、あの店員は嘘つき! 幼気な子供を騙しやがった?!(その店員さん、30年経ったいまもまだ店にいます)、ので、返品してやろうと思いきや、私は生涯この機種を絶対に手放さないことをここでお約束します(笑。お馴染み下段の RE-201/TAPE ECHO も同じく。今となっては、店員さんありがとう〜、ナノです。


先日レコードの音の質、アナログの質、についてお話しましたが、これらの残響空間モノについても同様な効果があります。これは、近年の安価なデジタル再生機を体感したからこそ解ったこと。申せば、モデリングのデジタルアンプと、モノ本の Marshall Amp では、歪みの本質や音圧など、全く比べ物にならないことは明白なのです。無論、どちらが良いというお話ではなく、これは求めるユーザー志向の問題なのです。


アナログとデジタルの変遷を知る世代の方々はご存知でしょう。私も、MDや最近の安価なデジタル携帯プレイヤーの音質を好みません。とくに圧縮している感?、がダメなのでしょう。それとは反対に、最近アナログレコードをよく聞きますが、レンジの広さ(無限)とあの質感はアーティストの呼吸/エンジニアリング表現のすべてが心に響きます。具体的に表現すると、音量小さくでも、鳴り方がデカい。デジタルプレイヤーは、音量小さいと、ただ聞こえない、、、で、上げると、不要な低域がブハブハする、みたいな(あくまで個人的な意見ですが)。怖いのは、そのブハブハが普通であると、身体に焼き付いてしまうことでしょう。これは、正しく調整された楽器を奏でたことのない状態と同じ? 自分の楽器(買ってきたまんま)をそのままで、長い間プレイしていれば、それを普通と感じてしまうのと同じです。もし貴方が? 生まれてから1度も歯を磨かなかったら? それが普通に、、、(怖。

実践セミナー Vol.14 repo/その1_f0009667_17552744.jpg


話はすこし脱線しますが、興味あるお話を。

これまでのレッスンで、あるステップから上達できた生徒たちの場面を思い出すと、楽器調整の話や、音質に意識を向けた頃から、その上達連動を体感しています。私の楽器を実際に手にして試した生徒たちが言う言葉があります。それは、「先生の凄い、弾きやすい!」と。そして私が彼らの楽器を弾いて、言う言葉もあります。それは「なぜ、この状態で弾けるのか?!」と。要するに、私の楽器は特別良いのでもなく、普通に調整しているだけであり、生徒たちの楽器調整バランスが "すこし不自然" なのでしょう。であるから、簡単な調整(その意識を向けて大切にしてあげる)を施してあげるだけで、楽器たちは呼吸しはじめるでしょう。それら意識が、自分を(周りも)高めて行く根源でもありましょう。道具とそれを扱う者の意識の大切さ、そのことを理解できたときこそ、技術向上にも連動すると確信しています。


お話を、セミナーに戻しますが、
今回取り上げた議題、ディレイやリバーブの用い方に関しても、多くの方があやふや? な様相です。用いるのであれば、それなりのビジョンは必要。某著名エンジニアさまなどは、な、なんとリバーブタイム10秒越えは普通! しかし、オケ中に混ざると素晴らしくシンプルなデザインが施されます。プレイヤーからの立場でも、「そう、それ! そのイメージだ!」 と、共感できたことで更なるプレイアイデアを呼び込みます。ここからはセンスの問題ですが、、、装置としての楽器、機器の操作/調整手法を正しく理解することは、すべてにおいて有益なのです。

冒頭写真、残響空間系アナログ機種の内部システムはほんとうに恐るべし。
精密なる人間の心臓? いや、単純な脳か?
次回、大解剖写真、公開します。
記事、続けます。


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by purevoice | 2010-08-03 17:58 | ・WORK SHOP | Comments(0)


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