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Music school purevoice_instructor's NOTE

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2006年 03月 01日

Master course REC実習レポート

定例月1マスタークラスレコーディング実習レポートです。マスタークラスはピュアボイスの一般レッスンプログラムを終了した者、または審査通過者のみ受講できるアドバンスクラスです。レッスンプログラムに月1度のレコーディング実習が含まれ、実践技法はもとより、編曲やアンサンブル、音作りの視点まで高度な演奏力と表現力を養います。実習は現場同等の録音設備を用い1人ひとりのプレイアプローチを繊細に録音検証します。私がこれまでに行ってきた様々なジャンルのスタジオワーク経験をもとに、recording〜現場制作という視点から将来職業として成り立つために有益な実践的要件を集約しアドバイスしていきます。私のレッスンポリシーがレコーディング至上であることは常に述べてきましたが、なによりも技術力、表現力、そして精神力の確認に、レコーディング実習は多くの課題を与えてくれます。今回の実習は1人ひとりに必要な要件に集中し、アンサンブルチームとダビングチームに分かれ実習検証しました。以下受講者に対するコメントです。




松浦正博(EG)
前回から連動している内容だが、音色音質をしっかりとコントロールできなければ表現は不十分なものとなる。エフェクター〜アンプ以前に、自分の楽器が適正に鳴っているか?松浦のGibsonLespaulはピックアップをカスタマイズしてあるようだが、まずピッアップ〜弦までの距離、高さなどはどのような基準で判断しているか?これは単純な作業であるようで、出音本質の明暗分ける要件。決してリペアー入門書の数値通りにやればよいというものではない。松浦はこれまで何年間そのLespaulと過ごしてきたのかは知らないが、先日レッスン時にある箇所を約10秒ほどかけて調整されたことで、初めてLespaul自身が喜びの鳴きをくれたことは事実。自分の子供は親がしっかりと責任をもち見守っていくことが親の責任。その上で、どう鳴らすかがカギ。比較参考音源として、実習時に松浦の楽器を私が弾いたときの音を入れておく(Track 4)。ぜひ参考にしてほしい。

山口詳五(EG)
前述松浦と同じ視点で、音作りに関する実習を行ったが、ストラトの命=センターピックアップであるということが理解できたと思う。以前詳五が手に入れたブースターが細い音だと、、、。この原因はギター本体にあり。また、音抜けに関してはSmoky JAM のコメントでも指摘あった「リズムのはまり」にも大きく起因する。今回は私とのセッションを音源に残すが(Track 5)、57秒あたりのリズムのコケ、5:55秒あたりのミスピッキングなどは改善すべし。どれも本番でやれば命とりになる。セッションなどで良いプレイあるがゆえにとても悔しい。勢い、情熱、魂、、、。全て大事だが、決してこれだけでは成立たない現実があることも認識してほしい。

正木秀和(Dr)
前回実習でのバタバタ感はいくらか改善されたか?。問題のボルテージコントロールは、最後の最後でNGとなったが、これは気の緩み以外なにものでもない。いまTVでオリンピックのスノボーの件(優勝金メダル確実と安心し、最後でよけいなことをしてコケた選手の話)を知ったが、連動した。安心感、気の緩み、は必ず失敗に繋がる。最後まで緊張感を保持し、スキを見せない精神を高めてほしい。要メンタルコントロール。Track 6,7に実習音源いれておくが、Track 7 の黒ブラシでのテンポキープ感をTrack 6の赤ブラシと比較すること。マテリアルが異なるだけでこれほど簡単にプレイに変化を持たせられることを理解すべし。今後この一連の流れを自力にて作れること。

阿部弘史(EG) 猪瀬大貴(B) 加藤聡(Dr)
アンサンブルチーム実習として、私の曲/LONE 3を投じた。Track 8は加藤のビートポイントが猪瀬とかぶっておりとても重い(暗い?)ものとなった。阿部のプレイに余裕がないことも更に暗さ?を増した。阿部はエンディングブレイク時のフレーズなど、もっとしっかりリードしてほしい。今回初めて導入したコンプはまだ100%手名付けられていないが、これも経験。前回レクチャーした、スレッシュホールド、アタック、トーン、レヴェルの様々な組み合わせで適正な音を導くのは楽しい。次回レッスン時、私のスタジオワーク現場で残したギターTrack(コンプ全開2段絞め)を聞き、更にコンプの魅力に迫りたい。Track 9はアレンジの方向性を導いた後のテイクだが、全員のフィールが格段に良くなっている。加藤のHHオープンフィールはアンサンブルに華を添えた。実践中、猪瀬が阿部に対し合図をハッキリ出すよう指示した点は高く評価する。そのことで当人しかり全員良い緊張感を得られた。分からないのに分かったふりすると後で痛いメに合うから、、、。猪瀬は例の4ビートフィールを更に追い込んでほしい。所謂トラディショナルな4つ系にコダワルのではなく、自分の色を濃く出したものとして表現してよい。前回実習リタンでも言及したが、「粘り」「タメ」は大事。全体のノリに関しては、各自もっと幅広くアプローチして欲しい。とくに加藤は自由演奏での実験性を楽曲の中で表現して欲しい。
       
吉田James雅人(EG)
今回はダビングという立場(スタジオワークでは多い作業)から音作りの実習を中心に行ったが、自分ひとりで作る音とアンサンブルに入って作る音の差が理解できたことはなにより。前回のセッションシチュエイションと連動するが、音色がはまり次第プレイも良くなったのは、アンサンブルを聞けている証拠。しかしプレイに関してはもっと余裕がほしい(メンタル)。solo の個所/2:54秒あたりの食いつきの悪さは、Jamesの中にまだ根としてあるので、改善してほしい。フレーズは弾けるのに、音が前に出てこない、、、そんなフレーズをブログコメントでも聞いたが、この件に該当する。今回実習で経験したダビング作業での疎外感は当然ある。が、この作業でアンサンブルの輪にしっかりと入れることこそ特殊技能である。

WE ENJOY THE MUSIC / purevoice

by purevoice | 2006-03-01 18:08 | ・RECORDING 実習 | Comments(2)
Commented by 正木 秀和 at 2006-03-09 00:14 x
今回の実習で正直マテリアルが違うだけでここまで変わるかと驚きました。もちろんその道具の善し悪しでなく使いこなせていないことが問題なんだと。
それぞれのマテリアルの特徴を理解した上での奏法と音をコントロールできなくてはならないと、当たり前な事なのですが痛感しました。
求められている音を出すべく自己で状況を察してそれぞれ切り替えなくてはならない事は、限られた時間の中で行われる現場では必須なポイントなんですよね。

それをいかに迅速に判断し、かつ冷静にプレーできるか。
また学ばせて頂きました。また研究を続けます。
Commented by purevoice at 2006-03-09 14:08
正木>
道具〜使いこなし〜何をするにも永遠のテーマ。
難しいが、おもしろい。
煙りの出し方もおなじね、、、。
道具に関しては、このあとメイン投稿にて記します。


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